実際に相手のやる気をそぎ、心をへし折った人のお話

朝日新聞に、漫画家 楳図かずおのインタビューが連載されている。

本日、サラッと書かれたとある文面に目が釘付けとなり、何度もその部分を読み返してしまった・・

その部分を抜粋する。

新人の担当編集者が仕事場に入ってくるなり、「手はこうやって描くんですよ」と、とてもデッサンのきいたげんこつの絵を僕に見せてきました。僕は何も言いませんでしたが、その瞬間、この作品を最後にして、もう漫画を描くのはやめようと思ったんです。


もうすでに、大ベテランで大先生となってた頃の話である(それ以後、実際に長期休筆)。

私が受けたこのズドーンと重い感じは何だろう・・

それはそのまま「言葉の重さ」ということなのかもしれない。

新人担当編集者の何気ない一言で、大先生が筆を折る・・・なかなか戦慄を覚える。

ブチ切れたわけではなく、創作意欲をプチンと切られたような。
新人の(的外れな)指摘に「へ?・・そこ?」ってゆー。やるせなくてヘナヘナと脱力する感じ。

「誰が言うか」「何を言うか」「いつ言うか」「どう言うか」を全てミスると、こんな事態にまで発展するんだなぁ、とつくづく。

この新人編集者の指摘は、お絵かきを始めたばかりの2歳児から「ママ!見て―!」と絵を見せられた母親が「違う違う!人の顔はこうやって描くの」と教えるぐらい無意味。
その2歳児だってやる気をそがれる。大事なのは、忠実に描くことではない。

もちろん楳図かずおは漫画界の巨匠であって、2歳児と同じに語っては大変失礼だが、それくらい無意味(てか有害)であることを表現したかった。

それにしても。
いくら無邪気で無知な新人だからって、いきなりそんなふうに説教する編集者っているのかなー? だとしたらトンマ過ぎない??

楳図かずおは、ヘマしても怒らなそうだから、トンマな新人を付けられたのかしら・・?
いや待てよ?何らかの意図を持った上司からの指示だった可能性も否めないな。。

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