テリィとの別れを阻止する


「キャンディ・キャンディ」の結末はスッキリしない。 余韻を残して、後は読者の想像に任せる…というのが狙いなのかもしれない。 あえてぼかしてあるところがいいのだ、という読者もいるのかもしれない。

しかし何となく、にっちもさっちもいかなくなった挙句に「あとはアンタたちが勝手に想像してちょ」といって押し付けられた感がある。


最近になって初めてちゃんと結末を知った私の、このモヤモヤ感といったらどーだろう。 別にキャンディとテリィが結ばれなくてもいいけどさー、いろいろハッキリさせてよねってカンジ。そりゃ、結ばれるのが一番さ。結ばれるために、あーすれば良かったんじゃないか、こーすれば良かったんじゃないかって、あれこれ考えを巡らすもんね。ま、読者や視聴者をそこまで思わせるって、偉大なマンガだよ、「キャンディ・キャンディ」は。

さて、蒼子ちゃんによる「こーなれば良かったんじゃね?」編。
そもそもテリィがキャンディを置いて一人学院を去るのはおかしな話。もともとキャンディは退学処分になっていたのだから、「俺もこの学院を辞めるよ。一緒にアメリカに行こう」と誘えば、キャンディは即座にテリィについて行っただろう。そして二人でアメリカに渡り、一緒に生活を始める。「二人の夢(テリィは俳優、キャンディは看護婦)が叶ったら、結婚しよう」と誓い合う。スザナの件は、やはりスパイスとして必要なので、蒼子ちゃん編にも入れることにする。テリィは悩んだ末、キャンディのことは諦めて、スザナを守ることにする。スザナはテリィを愛してはいるが、愛されていないことはわかっている。そこで、自分に好意を寄せてくれている主治医(スザナの脚のね)と婚約することにし、テリィに「私も幸せになるわ、だからあなたも幸せになって…」と告げる。ようやくテリィ解放、キャンディの元へ…いんじゃね?

スザナを押し付けられたテリィと同じ立場のキャラクターがもう一人いる…アーチーボルト・コーンウェルだ。彼は ホントにお気の毒なのだ。その後の原作者の小説によると、アーチーとアニーは婚約したんだそうな。うーむ…ホントはキャンディのことが好きなのに。アニーからラブレター攻撃されるも、そのラブレターを1通も読まないほど、アニーに全く興味がなかった(むしろキライ)。キャンディに告白するも「アニーをよろしくね」と言われてしまう…ううっ、切ない。

アニーは、中盤以降はいいひとキャラになっていたが、それまではちょっと信じられないほどヤな女だった。孤児院出身が知れ渡るとイヤだから、「もう手紙を送ってこないで。私も送りません」とキャンディへの手紙に書いたり、ほぼ10年ぶりぐらいにキャンディと再会しても他人のふりをし、口を開いたかと思えば「キャンディ、アーチーを取らないで」と哀願する。取るも何も、そもそもアンタのものになってませんから。アンタのことなんて好きじゃなかったの、彼は。

だから中盤以降どんなにいいひとキャラになったって、私の心の奥底で「アニーは性悪女」という思いがくすぶっているのである。そりゃ、キャンディだってアニーに何も告げずにアメリカへ旅立ちますわな。私と同じ思いがくすぶってんのかもよ。

コメント

  1. 蒼子さん、はじめまして。kaoriと申します。

    私もテリィファンで、最近読み直したらキャンディとの別れのシーンで、
    尋常じゃない位号泣してしまい、このまま泣き続けたら体に悪いと思い、読むのをやめました。(最後まで読んだけど)

    とにかくテリィが切なくて。。。旅に出て飲んだくれたくもなるって!
    なので、”蒼子ちゃんによる「こーなれば良かったんじゃね?」編”に賛成です。
    キャンディは、放っておいても幸せになると思うので、なんとかテリィにも幸せになって貰いたいと、フィクションなのに本気で願ってます。

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  2. kaoriさん、コメントありがとうございます。

    あぁ、私もkaoriさんと同じような心境だったなぁ・・・と懐かしく思います。
    けど「尋常じゃないくらい号泣」ってすごいですね、吹き出しそうになりました(笑)。
    ま、あの場面は、テリィファンにはキツイですものね。

    「こーなれば良かったんじゃね?」編を改めて読んでみましたが、つくづくよくできたシナリオですねぇ~(←自画自賛)。
    やはり、そうあるべきですよッ!(シャキーン☆)

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