ホリエモンの逃げたモン勝ち

堀江貴文の『好きなことだけで生きていく。』を読了。
今、日本では、長時間労働を始め様々な労働問題にブチ当たってるじゃない。
そのことが原因で命を絶つ人も少なくない。

やっぱそれって「好きなこと」をやれてないからなんだよね。

好きなことだけして生きていけるのが幸せだし、理想だし、しかも現代ではそれが実現可能なのだ、というのがホリエモンの弁。

本書では、とにかく「行動しろ。行動しろ。考える暇があったら行動しろ」と書かれている。



ま、行動し過ぎた結果、逮捕されたり、56億円の宇宙開発サギ(これホント?)に遭った人に言われても、少々説得力に欠けるのだが(苦笑)。

しかも「堀江貴文イノベーション大学校」(オンラインサロン)の宣伝がちょいちょい挟み込まれる。

この学校では月額1万円を支払って、ホリエモンの運営するプロジェクトやイベントに参加できたり、メンバーで新たなプロジェクトを立ち上げることができる。
この本だって、メンバーの協力あってのもの(ギャラ無し)。

しかも子どもからも搾り取ろうとしてる。
月額1万円は子供にとっては高いだろう。(中略)親にとにかくお願いして借りてもいいじゃないか。自分でなんとか誰かの手伝いをしてお小遣い稼ぎをしてもいいじゃないか。アルバイトができる人はもちろんやればいい。子供がお金を稼ぐことは、まったく悪いことじゃない
子どもにも「何とかしてお金を得て、それをこちらによこせ」と言っているのだ。

商業的なニオイ(宣伝)がしてくると、私は身構える。
はたしてこの人は純粋に「一人でも多くの人が好きなことだけで生きていける世の中になってほしい」と願っているのだろうか?と。

しかしホリエモンと会員は、ウィンウィンの関係なのだと思う。
ホリエモンにとって会員は、カネを落としてくれるうえに、自分の業務まで手伝ってくれるという非常に都合のいい存在。雇用関係にあるわけでもなく、いわば「お稽古ごと」のようなスタンスを取っているので、労働法など一切無視できる。
会員は会員で、知名度抜群のホリエモンの名を借りて仕事をすることで、あるいはおこぼれにあずかることで、自分の名も挙げたいと思ってる。

だけどなー、やっぱきちんと報酬をもらってないと、真面目にやってるのがアホらしくなってチョー適当にやる人も出てくるよなー。

と思ってたら、早速出たみたいです。
とあるプロジェクトの人間が、サイトのデザインを他からパクったみたいで。

そしたらホリエモン、「自分は一切関与してないし、むしろ被害者だ」って。

そうくると思ったよー。
そもそもあの学校の形態って、責任の所在が曖昧なカンジだもの。
いざとなったら逃げられるようにしてんのね。

一体、カネ取って名前貸すことが、どういうことだかわかってんのかねー。

私ね、ホリエモン、もう一回くらい捕まるんじゃないかと思ってんの(苦笑)。

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