金メダルをさらに輝かせる大和魂

最近の日本のオリンピック選手はお行儀がいい。
コメントも謙虚でソツがない。

一昔前には、態度も口も悪い選手がチラホラいたもんだ。
今だと、すぐネットで叩かれるからなぁ。それで選手たちも、気をつけてんだろな。

でも、謙虚になりすぎて「銅メダルで申し訳ない」とコメントした柔道選手には、「銅メダルで喜んでる選手に対して失礼だ」と言って叩かれたりもするから、ややこしい世の中である。

ま、前から思ってたことなんだけど、メダルが金以外だった柔道選手の表情には悲愴感が漂い過ぎてる。

「恥ずかしながら、生きながらえて・・・」というセリフを吐く日本兵のようである。
何だかとっても痛々しい。

でも、しょうがない、本人が金メダルを切望していたのだから。
「銅でも喜べ」というヤツには、「ほっといたれや」という言葉しかない。

さて、金メダルを獲った柔道男子の大野選手。

私が感動したのは、金メダルが確定した瞬間、畳の上ではいっさい喜びを表さなかったこと。
そこから離れて、初めて笑みをこぼしたのである。

本来、武道や相撲は、対戦相手に失礼にならないように、その場では勝利の喜びを表さないのが礼儀だ。

柔道も、世界的なスポーツとなり、そういった常識は崩壊していると言っても過言ではないが、日本人選手にだけはそういった精神を少しでも残しておいてほしい、というのが本音だ。

その昔、谷亮子は、金メダルが確定した瞬間、対戦相手を目の前にして、満面の笑みでピョンピョン飛び跳ねるわ、何度もガッツポーズをするわで、完全に興ざめしてしまった覚えがある。

嬉しいのはわかるが、喜びポーズのてんこ盛りで、相手に何の配慮もない谷がますます嫌いになった瞬間であった。

おまけに、金メダルに何度もブチュブチュとキスするのにも閉口した。
我々は、罰ゲームでもないのに何を見せられてんのかと(苦笑)。
一方、負けた時は、不機嫌さ全開のチョー憮然とした表情で、本当にヤな感じだった。

有名選手だからこそ、伝統的な武道の精神を、世界に示してほしかった。

大野選手は、美しい一本勝ちも、金メダルも、優勝コメントも立派だったが、私が一番立派だと思ったのは、勝利した瞬間の振る舞いなのであった。

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