自分のことを名前で呼ぶようになった女

子どもの頃、私は自分のことを「蒼ちゃん」と呼んでいた。

ま、自分のことを「ちゃん」付けで名前呼びする子どもは多いだろう。

私は、小学校に上がっても、それを続けていた。

「わたし」に切り替えるのが、照れくさかったのもある。

当然、先生に毎日提出する日記にも、自分のことを「蒼ちゃん」と書いていた。

するとある日、先生から「小学生になったのだから、これはおかしいよ」と言われた。

それでも「わたし」と書くのは抵抗があり、「蒼ちゃん」ではなく「蒼子」と書くことにした。

しかし、いつのまにか、すべて「わたし」になっていったなぁ。

ところで私は、中学で転校を経験した。

転校先の中学は、美女ぞろいであった。

それゆえ、当時は埋もれてしまっていたが、高校に入ると急に「美少女」ともてはやされるようになった桃子という友人がいた。大好きな先輩からも告白され、付き合うことに。

中学ではサバサバして勝気な性格だったのに、随分おちゃめな性格へと変貌。

驚くべきことに、自分の呼び名が「私」から「桃子」になったのである。

まるで、通常の流れとは逆ではないか。

そして私のことは、中学時代は「幡!」と呼んでたのに、何と「蒼ちゃん」へ。

セルフプロデュースとか、キャラ作りのようなものだったのかな。

「校内のアイドル」として、「さらに可愛い私」のための演出っちゅーか。。

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