原稿丸読みはバカ丸出し?

そこそこの大舞台でスピーチした経験は、公私でちょこちょこある。

私の場合、事前にものすごく練習し過ぎて、結果的に暗記してしまい、本番では原稿を見なくてもスピーチできる状態に。

いや、でもそれは、私の「心配性」から来ているものであり、決して胸を張って言えることではない(むしろ情けない)。

何で、こんな話をしたか。

今月ほど「原稿読み」について考えさせられた月はなかったな、と思うんである。

まずは、『しくじり先生』に出演していた野村宏伸。

教壇に立って、ずーっと原稿を読んでた。
目線は、生徒ではなく、常に原稿に向けられていた。

すごい。ちーっとも心に響かない。

生徒がいろいろリアクションしても、切り返しもできない。
原稿を読むのに必死で。

不器用なの?バカなの?
俳優ならセリフを覚えるの慣れてるでしょ?

いや、一言一句覚える必要は全くないんだけど、自分のエピソードを語るだけなのに、そんなに原稿にかじりつかなきゃダメなの?

俳優だから、話し方は芝居がかっているんだけど、原稿を読んでる状態だから何ともダサい。

よっぽどその後の芸人夫婦の授業の方が心に響いた。

あぁ、一般の会社で営業の仕事させたら、俳優グループより芸人グループの方が勝ってしまうんだろうな、と思った瞬間であった。

次は、舛添の政治資金流用問題に対する集中審議で、質問者側に立った鈴木とかいう自民都議。

「原稿丸読み」「滑舌の悪さ」「カミカミ具合」で、見苦しいわ、聞き苦しいわで超ド級のイライラ。

「(舛添の)通りいっぺんの原稿読みはもうたくさん」という原稿を自分も丸読みしてるっちゅーアホアホ加減。

「もういいかげんにしましょうよ!」「都民国民が納得するわけないじゃないですか!」という感情的な文言まで原稿を見ながら言うので、滑稽極まりなかった。

で、舛添がどういう答え方をしようとも、何の突っ込みも入れず、まさに「質問しっぱなし」の状態で、本当に原稿を読むこと(それもカミカミ)以外、何もできないのであった。

えーと ・ ・ ・ バカなの?
何も頭に入ってないんじゃないの?

そう。ニュースを伝えるアナウンサーでも、原稿をほとんど見ないタイプと原稿から目が離せないタイプがいる。

目が離せないタイプは、内容を理解できてないか、努力してないか、いずれにしてもダメダメアナウンサー。一方、原稿を見ないタイプは、本当にプロフェッショナルで素晴らしい。

同じ「アナウンサー」という括りではあるが、その二者の間には深ーい谷があるのだ。

とにかく。原稿丸読みの破壊力は意外と凄まじいってことを言いたかった。

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