天才のジャマだけはしないでね

イチローは、上の人間から直すよう指示されても、「振り子打法」を貫き通した。
その結果、メジャーリーグでも大活躍の、超一流プレーヤーとなった。

天才とは、そういうものだ。
指導者の助言すら必要のないハイレベルな人間。

と言っては語弊があるが、アドバイスを取捨選択する能力に長けているのだ。
監督やコーチのアドバイスが、絶対的に正しいわけではない。

天才は、人からどう言われようと、「こうやれば上手くいく」というポイントがわかっている。
だから、そこを曲げるべきではない。

つくづく、バレーの石川選手がU監督時代の選手じゃなくて良かったと思う。

U監督なら、「やれと言ったらやれ!」と自分のやり方を押しつけてた。
そして選手が言うことを聞かなければ、「メンバー外し」さえ厭わない。

日本が世界に勝つためには「速いトスからの速い攻撃」しかないと考え、そこばかり重点的に練習させていた。

しかしその攻撃は世界に通用せず、全日本男子チームは暗黒の時代へと突入するのである。

なぜ通用しなかったのかは、今回のワールドカップの日本チームの試合を見ればよくわかる。
今回の試合では、そのような攻撃以外のところでドンドン点を稼いでいたのだ。

ところでキャプテン清水は、昔から素直で、体育会系で、上下関係を大切にし、監督やコーチの言うことには絶対服従・・・というイメージがある。

当然、上からは可愛がられる。
それは、彼がコンスタントに全日本メンバーとして選ばれ続ける所以でもあるのだろう。

しかし誤った指導でも闇雲に愚直に受け入れていたら、それはそれでもったいない。

今、優秀なコーチに出会えた彼は、29歳で、「遅咲き」とも言えるぐらいの成長を遂げている。
もっと早くに今の指導陣と出会えていたら・・・と思わずにはいられない。

一方の石川選手。
彼の才能がこの大会で開花(爆発)した理由の一つに、彼が「自分の好きなようにやって、自分のスタイルを通した方が上手くいく」と考え、監督やコーチのアドバイスを適度に聞き流したという点が挙げられる。

イチローと同じである。

で、その結果、上手くいくわけである。
天才とは、そういうものだ。

伸び伸びやらせてくれる監督と優秀なコーチの指導の下で開花した清水選手。
そんな監督やコーチのアドバイスをも聞き流しながら、自らの才能を開花させた石川選手。

開花のさせ方って人それぞれだなぁ、と思う。
上の人間がその芽をつぶしちゃ、絶対いけないと思う。

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