たかが雰囲気、されど雰囲気

「チームの雰囲気、すごく良かったですよねー」と言われた柳田選手。
「そうですね、すごくやりやすいチームでした」って答えてた。

あ、ワールドカップバレーを振り返ってのことね。

さすがに、「そんなに良くなかったですよ」とは答えられないだろ。
でも実際、良かったのだと思うのだ。観てる側にもそれが伝わってきたし。

その雰囲気は、その前のアジア選手権で、すでに形成されていた。
石川不在の状態だったが、全日本男子はイランを抑え、6年ぶりに優勝するのである。

昨年のアジア競技大会ではどうだったか。
石川もいた。越川もいた。しかし準優勝に終わる。優勝はイラン。

あらためて、昨年の映像を観てみたら、何か様子が違うのである。

まず石川の表情に気迫が感じられない。
心ここにあらず、というか、腑抜け状態というか、とにかく覇気がない。

で、自分が失敗しても、あまりにも飄々とし過ぎている。
「失敗しましたが何か?」的な・・・。

タイムアウト終了時に、円陣組んでこぶし突きだして気合い入れる際も、よそ見をしてちゃんとやってなかったり。

おいおい、この時、全日本1年目だろ~!?って、ヒヤヒヤした。
ちょっとナメてる感じにすら見えた。

チーム全体としては、決して雰囲気が悪いわけではないのだが、すごくいいわけでもない。

今回のワールドカップの時のような、「仲間の得点を自分のこと以上に喜ぶ、それも、チーム一体となって」という現象は、あまり見られなかった。

笑顔も全体的に少なめだった。
何となく一体感、結束力に欠けてるような・・・。

そして私は、決定的かつ衝撃的な場面を目にする。

試合に勝利した際、チーム全員で肩を組んで喜ぶ輪から、石川がはじかれていたのだ。
まさに「蚊帳の外」状態。

決してワザとではないのだと思う。
ただやはり、チームの連帯感の無さを象徴しているように見えた。

そして今回のワールドカップで、石川は生まれ変わった。

仲間に積極的に声をかけ、闘志をむきだしにし、仲間の得点には満面の笑みで駆け寄って全身で喜びを表現していた。

そしてチームは見事な一体感を見せ、好結果をもたらしたのである。

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