誠実な対応で見事な復活を遂げた男

「2015上半期ブレイクタレント」ランキングの6位が元サッカー日本代表の前園らしい。

きっかけは、松ちゃんの番組にレギュラー出演し、松ちゃんからイジられることで、キャラが開花したことに他ならないのだが、私は、それと並行して、彼のとある一面が垣間見えたことにあると思う。

ある番組で、サッカー界の大物たちが、前園に酒を勧めるというドッキリ企画があった(もちろんプライベートな食事会という設定)。

2年前、酒に酔ってタクシー運転手に暴行する事件を起こして以来、前園は酒を断っていて、それをテレビでも公言している。

しかし酒を勧めるのはサッカー界の大先輩であり、重鎮である。
「ひと口だけでいいから」などと、しつこく酒を勧める。

もう、普通の人なら、その場を切り抜けるために、口だけでもつけざるを得ないようなシチュエーションである。

番組を見てた誰もが「飲んじゃうんだろな」と思った。

だが、前園は頑なに拒んだ。
重鎮相手に拒むのである。

見直した。
その場面を見て、私はブレイクの兆しを感じ取ったのである。

そう言えば、彼の謝罪会見も、大変真摯なものであった。
口先だけで反省してたわけでも、謝罪したわけでもないことが、これで証明された。

そう、松ちゃんの番組でも、「なでしこが負けたら坊主頭にする」という公約を守って、坊主も坊主、青々とした坊主頭にしてたっけ。

とんねるずの貴さんみたく、自分から「負けた方が坊主な!」と言っといて、いざ自分が負けたら坊主頭にしないような男とは違うのである。

イジられキャラだけでなく、根っこにある誠実さがウケて、ブレイクにつながったと信じている。

人は結局、誠実な人が好きなんだ。

何かをやらかしちゃった芸能人も、その後の対応次第で、明暗が分かれる。
そしてそこには、その人の本質が出てくるものなのである。

酒井法子は、芸能活動を再開しても、目立った仕事はない。
それは、クスリを抜くために子どもを置いて逃げ回った上、裁判での印象を良くするために「介護の道に進みたい」などと嘘をついたから。

矢口真里も復帰後、ロクな仕事がない。
それは、世間のほとぼりが冷めるまで雲隠れし、仕事再開直後のテレビ出演においても、事の顛末を正直に打ち明けず、自分のイメージを守ろうとしたから。

次長課長の河本も、仕事がなくなってしまった。
それは、問題を追及してきた人たちにツイッターで喧嘩を売り、謝罪会見では第三者に責任をなすりつけて自己弁護に終始したから。

芸能人じゃないけど、今回のサノケンだって、「スタッフがやったことです」と言ってみたり、「模倣はしてないが、メディアやネットからの嫌がらせがヒドいので、仕方なく取り下げます」と言ってみたり、全く誠実さがないのである。

「家族やスタッフを守るため」ってさー、スタッフのせいにしたの、アンタなんだけどね。
これほど心に響かない言葉って、ないね。

ピンチの時にこそ、その人の本質はムクムクと顔を出すのである。

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