早めに抜け出さないと逃れられなくなるよ

10代に入り立ての男の子が殺害される事件が続いてるね。
どちらも顔見知りの年長者の男に殺されてる。

11歳の子の事件では、22歳の男性をからかったことで、13歳の子の事件では、18歳の子をリーダーとするグループに関わったことで起こってる。

前者では年長者に対する敬意が、後者では年長者に対する警戒が、少し欠けていたのかもしれない。

少なくとも10代前半の間は、5歳以上も年が離れた相手は、自分の感覚とは違った人間であると認識した方がよさそうである。

さて、その13歳の子の事件であるが。

島根の島から川崎の中学校に転校してきて、遊んでた場所で不良グループと出会って、仲間に入れられて、そのうち支配下に置かれて暴力を受けて、挙句の果てに殺害された。

思い出すのが私の中学時代。

私も中学時代に転校を経験した。
転校先でクラスの不良っぽいコに目をつけられた。

「目をつけられた」って、「お前、生意気なんだよ!」ってことではなく、「あんた、面白いね!」ってやつ。

転入してきてまだ間もないのに、自宅まで来て遊びに連れ出された。
「ははーん、堕ちていくコはここで堕ちていくんだな」と、妙に冷静な私。

ややこしいことに巻き込まれる前に抜け出さなきゃな、と思っていた。
そのコ自身はそうでもなかったが、仲間がヤバ過ぎた。

そこで私は、不自然に感じられない程度に距離を置き始める。
そのサジ加減の難しさたるや。

好奇心旺盛なコはその関係にズブズブはまっていくのだろうし、気の弱いコもはまらざるを得なくなるのだろうし。

流された方がラクってのもある。
きっぱりと断ったり、私のように距離を置こうと策略するのは、なかなかしんどいものである。

家庭で子どもを正しく教育したとしても、環境(友人関係)次第で堕ちてく可能性は、どのコにだってあるということである。

しかも現代の子どもは、スマホを持たせてもらっているため、LINEなんかで仲間にがんじがらめにされることも容易だ。

昔のように、一家に一台、固定電話があるだけの時代なら、まず子どもは、大人(相手の親)という「関門」を突破する必要があった。

場合によれば、大人が門前払い(子どもに取りつがない)することだってあった。
それによってトラブル回避もできただろう。

でも今は、直に相手とつながることができるので、誘い出すことに何の躊躇もいらない。

主犯格の18歳の少年は、学校にも行ってないし、仕事もしていない。
身内以外の大人と接することがない。

昔の固定電話の時代なら、電話に出てきた大人(相手の親)とコミュニケーションを取る機会があった。

ちなみに今回の件だと、電話をかけたら相手の親が出てきて「ウチの子と仲良くしてくれてありがとね」などと声をかけてもらったとしたら、この加害少年はあの子を殺害しただろうか、とも思う。

とにかく、電話ですら大人とコミュニケーションを取る必要のなくなった現代ではなおさら、この加害少年にとって「大人」は希薄な存在である。

それで何が起こるか。
「自分より上の存在はいない。年下の子さえ集めれば、自分がボスだ」という錯覚である。
そして、大人が入り込む余地のない異質で邪悪なコミュニティーが形成されていく。

今の時代、大変厳しいかとは思うが、子どもにスマホ(ケータイ)を持たせないということも、妙なトラブルを回避する手段だと言えるだろう。

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