芸能人の「辞めたかった」発言について

英会話講師の女性が自殺したのは、長時間の持ち帰り残業が要因だったとして、労災が認定された。

今までは、例えばタイムカードの記録なんかが決め手になって、長時間労働を要因とした労災認定がなされてきた。

でも私は常々、自宅に仕事を持ち帰るケースだってあるよなぁ・・・って思ってた。
意地でも会社に残ってなきゃ、長時間労働とは認められないのかと。

というのも、私自身が仕事を持ち帰ってたから。

かつての職場で、大量の仕事を持ち帰ってた。
どちらかと言えば、考えを練るような仕事だったので、自宅でやった方がはかどると思った。

自殺した女性同様、連日の睡眠時間は2、3時間(いや、3時間ならまだいい方)。
それを数ヶ月続けたところ、身体が悲鳴を上げた。

私はそれで、退職(その後転職)したのだが、彼女は自殺してしまった。

「死ななくても、会社を辞めればよかったのに」と言う人もいるだろう。
でも、それが「うつ病」の怖いところで、「辞める」という選択肢をスル―して「死」に向かってしまうものなのである。

で、彼女が作成した大量の教材が見つかり、それが長時間の持ち帰り残業の証拠となった。

一方、私には、そんな大量の証拠がない。
いや、もう過去の話なので、私に関してはどうでもいいのだが、証拠の残りにくい持ち帰り残業をしている人々は他にもたくさんいるのではないか、と思うわけである。

さて本題に(おそッ)。

ここのところ立て続けに、芸能人が「この仕事を本気で辞めようと思っていた」などと告白している。

若手女優が。男性アイドルグループのメンバーたちが。
皆、売れている人たちである。

なぜ、このテの告白は、私の心をモヤモヤとさせるのだろう。

いや、ウソではないと思うのだ。本当に辞めたかった時期はあったのだろう。
でも多くの人に憧れられる仕事をしておきながら、成功も収めておきながら、その告白をすることに何の意味があろう。

「売れないから辞めよう」と思ったのならまだいいのだが、彼らの理由はそうではない。
「そもそもやる気がなかった」だの「周りの期待と実際の自分とのギャップ」だの。
「やる気ない」とかさぁ、何アピールよ?

それに、社会人なら誰でも「この仕事、辞めたーい」と思ったことなんてあるわけで。
何もアンタたちだけが特別じゃない。

それに、「辞めたい、辞めたい」と周りに公言しながら、なかなか辞めない人もいるわけで。

そう。「辞める」ってことは、かなり勇気がいるもの。
例の芸能人たちに、こう言ってやりたい・・・「てか、辞めてないじゃん。辞める勇気、なかったんじゃんね?」と。

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