極限状態の人の気持ちは計り知れない

乗ってる飛行機が離陸する時、息を止めてしまう私。
息を吐き出したら、落ちそうな感覚になっちゃうの。
私自身が機体になってる気分なのかな。

史上最悪の航空機事故と言われた日航機墜落事故から29年。

機内であれだけ恐ろしい思いをした上に、最後は山に激突して大爆発って・・どんだけ悲惨なんだよ!

そしてふと考える。
飛行機が操縦不能に陥っていたのだから、墜落場所が市街地ということもあり得たのではないかと。さらなる大惨事を想像するとゾッとする。

機長たちの緊迫したやりとりが録音されたボイスレコーダーに、後半で、「どーんといこうや」という機長の声。

私も、初めてその言葉を聞いた時は驚いた。

真意はわからない。
「どーんと構えていこうや」と、仲間を励ます意味で言ったのかもしれない。

もし「どーんと(山に)ぶつかっていこうや」という意味だったとしたら・・・。
完全に諦めたわけでも、希望を捨てたわけでもないが、その道のプロだから、墜落する状況にあることはわかるはずだ。

「生か死か」というより、目の前に「死」しかない・・・そんな極限状態は我々の想像を絶する。
そんな状態で、一瞬ヤケになったとしてもおかしくない。
そういう言葉を発することで、心の平衡を保とうとしていた、とも考えられる。

「ヤケ」と言っても、諦めて全てを投げ出すことではない。
現にその後も、最善を尽くそうと、必死に仲間を励ましたり、指示を出したりしている。

しかし当時、この「どーんといこうや」という言葉は、かなり批判されたらしい。
機長の遺族の苦しみはいかばかりか・・・。ただでさえ、身内が亡くなった辛さがあるのに。

この事故以降、日本の大型旅客機で死者を伴うような大事故がないのは、せめてもの救いである。教訓になっていればいいな。

だから皆さん、安心して乗りましょう。
私も乗ります、息をとめつつ。

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