「大きな古時計」が売れたナゾ


←朝日新聞にこの本『誰がJ-POPを救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記』の紹介があり、しばし私もJポップについて考えてみたんである。

90年代、音楽業界はものすごい盛況で、CD売り上げは、ミリオンだのダブルミリオンだのが乱発していた・・・いわゆる「CDバブル」と呼ばれた時代である。

「何だかおかしな事態になってるゾ」と、当時も思っていた私。
ドラマやCMとのタイアップや、小室サウンドというだけで、歌の良し悪しはそっちのけで、ガンガンに売れまくっていくんである。カラオケブームと相まって、それはスゴイことになっていった。

でもなぁ、今よりマシだったのかなぁ、とも思う。
イイ歌ってのは今の時代も必ずあるはずなのに、それさえも全く表に出てこない。

世代を超えて広く認知されたイイ歌って、コブクロの『蕾』(2007年)を最後に、出てきてないんじゃないか。皆で一緒に口ずさめる歌がないってことは、何とも寂しいものである。

さて、平井堅の『瞳を閉じて』も、大ヒットし広く認知されている曲であるが、私が未だに首を傾げてしまうのは、なぜ人々は彼の『大きな古時計』をあんなに支持したのか、ということだ。

そりゃ『大きな古時計』はいい歌だよ。そりゃ平井堅は上手い歌手だよ。
でもさ、この2つがくっついたら無条件に「素晴らしい!」ってことになるワケ!?

童謡だよ?童謡をムードたっぷりにバラードチックに歌いあげるんだよ?おかしくね??

でも世間は「いいよね~」とウットリしちゃってさ、「平井堅バンザイ」「古時計バンザイ」ってなカンジの流れになっちゃってさ、私が「皆、待ってよ!冷静になって!おかしーじゃんッ」つっても、雑踏が私の前を素通りして行った感があるのよね。(長いわッ!)

何かね、人々がマインドコントロールされてる感じすらしたよ。
あの調子じゃ、『むすんでひらいて』だって売れてたな。コワッ!

※関連記事・・・幡 蒼子のおこりんぼ日記3: 90年代~2000年代のJポップを語る

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