スーパーアイドルに備わっている能力

松田聖子と中森明菜 (幻冬舎新書)←私が今までで一番読み返したことのある本と言えば、これになるだろう(恥ずかしながら)。

今年は中森明菜がデビュー30周年の節目らしい。
しかし活動は休止されたままである・・・多分もう、ずっとこのままではなかろうか。
少なくとも、歌声にはいろんな意味で期待できないと思う。

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特に彼女の全盛期には、歌唱力を評価する声が多かった。
私にはそれが解せなった。下手だとは思わないが、上手いとも思わなかったから。

かつて山下達郎は、自分の女房(竹内まりや)の曲を明菜が歌うのを聴いて、彼女の歌唱センスを批判したことがある。
その時、あながち私の判断は誤りではなかったな、と思った。

彼女に備わっているのは、歌唱力というより表現力なのではないか。
自分の世界を作り出すのに長けている気はする。

やはり歴代の女性トップアイドルと言えば、松田聖子・中森明菜・小泉今日子だと思う。
やや最初の2人が突出している気はするが。

そして個性バラバラなこの3人に共通していることがある。
いや、その共通点にこそ、トップにのぼりつめた理由があると思う。

それは「自己プロデュース力」である。
(これはあくまでも80年代前半の話として聞いてほしい。例えば、今の聖子のいわゆる「セルフプロデュース」の能力を、私は評価していないので)

それが許される環境にあったということもあろうが、聖子も明菜もデビュー間もない頃から、ヘアメークや衣装、振り付けに至るまで、自分で決めてやっていたのである。
小泉今日子も、事務所の許可なく頭を刈り上げショートにして、ブレイクする。

「自分」というものをよくわかった上で、魅せ方も知っているということである。
ある意味冷静で、感性が研ぎ澄まされていなければならない。
ただただ事務所の敷いたレールの上を歩かされているようでは、アイドルとして先細りの運命なのかもしれない。

ただ、ミュージシャン系のアーティストは、売れだしてから「俺らのやりたい音楽はこういうもんじゃないんだ!」ということで独自路線に突っ走ると、自滅する可能性が高いので、事務所の言いなりになった方が賢明な場合もある(笑)。


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