ジッタリンジン…その強烈な個性

前回からの続きだよ)
私は伝説のテレビ番組『いかすバンド天国』を一度も観たことはなかった。
しかしそんな私の中で、ジッタリンジンは、『イカ天』出身の代表的なバンドとして映っている。
『イカ天』…スピッツもオファーを受けて、迷った挙句に「出ない」という選択をした番組。

この番組が放映されていた80年代末から90年代初頭にかけての日本はバンドブーム。
その時期にバンド活動していながら、バンドブームとは無縁だったスピッツとミスチル。
確かに、その頃流行っていたバンドの音楽性とは異なるものだった。

しかし、バンドブーム時にもてはやされたバンドで、今も活躍しているバンドはほぼ皆無。
結局残っているのは、バンドブームの恩恵を受けなかったスピッツとミスチルという皮肉。
『爆笑レッドカーペット』や『エンタの神様』のような番組が火付け役となったお笑いブームもそうだが、「ブーム」というものの恐ろしさたるや…。

ジッタリンジン…バンドブームの終焉とともに消えてしまった感があるが、そうなってしまうには実に惜しいバンドであるな、と今さらながら思う。

いでたちは普通なのに、音楽性も含めて強烈な「個性」を感じさせるバンドであった。
独特の2ビートと、やたら目立つドラムの響き、演奏の上手な高校生バンドのようなスカスカ感…それさえも個性的である(ホメておる)。歌詞とメロディーも個性的。
このバンドの音楽こそ、真の「和製ロック」と言えるんではなかろうか。

特に歌詞でド肝を抜かれたのは、やっぱり『プレゼント』。
「私」は「あなた」に貢ぎまくったのに「あなた」には別に恋人がいた・・・という話じゃなくて、「あなた」は「私」に貢ぎまくってくれてたのに「あなた」には別に恋人がいた、という話なんである。不況の今じゃ、考えられない。バブルの頃だったからこそ、あり得る話である。
ま、そうは言っても、カワイイ値段のものが多いんだがな。



「あなた」が「私」にくれたものについて延々と述べていく歌であるが、サビの前には「モノ」じゃないものがひょこっと現れる。あぁ、これらを際立たせるために、「モノ」が羅列されているのだなぁ、と感じさせる。ちなみに私が一番好きなフレーズは ♪あの日生まれた恋心 である。

それにしてもボーカルの女性は次長課長の河本に似ているな。
♪あなたが私にくれたもの~ ぜいたくできる生活保・・・ま、まぁ、やめとこ。

さてお次は『にちようび』。PVも素晴らしいから注目ね。
ボーカルの「不思議ちゃんテイスト」も随分和らいでます(笑)。


メロディーは沖縄民謡を彷彿とさせるもの。
私、『島唄』とかキライなんだけど、これは好き。軽快だしね。あ、でもスピッツの『ナンプラー日和』は、軽快なんだけど好きじゃないわぁ。思えば、ジッタリンジンの『夏祭り』もどこか民謡調で…「和」のテイストを上手く取り入れてるなぁ。

ところでスピッツの『Holiday』は、ジッタリンジンの『アニー』の世界観を意識して作られた曲であるらしい…ストーカーチックなね。昔は「ストーカー」なんて言葉がなかったし、ヘンな人もそんなに多くなかっただろうし、問題視もされてなかったから、結構ストーカーまがい(!)の曲なんかも今よりは普通にあったわね。あみんの『待つわ』や石川ひとみの『待ちぶせ』…もうタイトルからして、そーでしょ?(笑)

8-9-10!!(Ver.2)それにしてもさ、草野マサムネ氏はブルーハーツのみならずジッタリンジンの影響も少し受けてるのかしらん。
『Holiday』と『アニー』の件もそうだし、『ナンプラー日和』もやっぱ『にちようび』と似てる。『僕の天使マリ』のサビの部分も『アニー』と少し似てる。そしてスピッツにも『日曜日』という曲があるね。
あ、他にも似たようなタイトルのものが…ま、たまたまだよね?
でもおそらくジッタリンジンの世界観は好きなんだと思うよ。

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