意外と貴重な淡々系ボーカリスト?

昔、関西の知人が、とあるミュージシャンのことを「ブサイクやのに、カッコつけて歌ってるから嫌いやねん」と言っていた。

その時、私は「かわいそうなことゆーてやんなよぉ~」とでも言ったか。
でもそれ以来、テレビで彼を目にするたびに「ん~、わからんでもない」という気がしていた。

つい先日も彼はテレビに出ていた。やっぱり、歌い方というか、声の出し方がちょっと…。
彼の名誉のために名前は伏せておくが、えーと、ソロのミュージシャンではないことは記しておこう。

別に男性ミュージシャンがイケメンである必要はない、と私は思う。
ま、イケメンだと有利なのは有利だけどね。
氷室京介や稲葉さんが、ブサイクだったらゾッとするもの。

あ、冒頭のミュージシャンは、その「ゾッとすること」をやってしまっているかもしれない。
決して氷室系や稲葉系のパフォーマンスではないのだが、その表現方法にそこはかとなく違和感が漂うのである。おそらく私の知人も、その違和感のことを言っていたのだと思う。

イケメンが「イケメンである」という自己認識のもと繰り広げられるパフォーマンスには賛辞が贈られるが、非イケメンが「イケメンである」という自己認識のもと繰り広げられるパフォーマンスはケチョンケチョンに叩かれる…哀しいかな、これが現実だ。

洋風のキラキラネームをつけられて、可愛いドレスを着せられると、かえってドンドンこっけいに見えてしまう少女がいるように…。バランスっちゅーもんが大事なんやな。

いや、前述のミュージシャンが「イケメンである」との自己認識をお持ちかどうかは定かではない。しかし、そういう自己認識なんだな、と感じずにはいられないような、鼻につく歌い方(声の出し方)なんである。勝手にそう思われて、そのミュージシャンもいい迷惑である。

極端なことを言っちゃうと、スピッツの草野マサムネ氏のように無表情で淡々と歌えば、「カッコつけやがって!」などとは死んでも言われない。彼は感情を押し殺して歌う…いや、感情なんてもんはないのかもしんない(←失礼)。

実は淡々と歌うミュージシャンってのはなかなかいない。
ボーカリストは、大きく分けて2種類…ウットリ系とシャウト系である。

ウットリ系…自分の歌に酔いしれている人たち。目をつぶり、手をヒラヒラさせながら歌うのが特徴的。徳永・平井堅・絢香という「3大ウットリさん」以外にも多数存在。
シャウト系…特にサビの高音部分で著しく顔をゆがめ、必死の形相で叫ぶように歌う人たち。血管がブチ切れそうでハラハラ。尾崎豊・ミスチルの桜井さん・ゆずの北川など多数存在。

歌手ならまだしも、素人がこれをやることはカッチョ悪いと思うので、私はカラオケで無表情で歌うことにしている。ただし歌声には表情をつける。これが結構難しい。ちょっと気を抜くと、顔に演技が入ってしまうもの。結局そっちの方がラクなんだわ。でもやんない。何だ、そのストイックさは。他に活かせよッ!

伝説の無表情バンドと言えば、ジッタリンジン。見よ!この表情の無さを。
でも、ボーカルの声は明るいし、意外に躍動的だったのね…リズム感があるんだかないんだかわかんないような不可思議なダンスが、無表情と相まって、さらに不気味さアップ(笑)。

   

次回はこのバンドについて書きま~す。

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