春だからチェリーを味わってみる

私はなかなか『チェリー』に手厳しい。

今までの記事を振り返ってみても、「あまり好きではない」「素直すぎて単調」「アルバム(インディゴ地平線)の中で浮いている」「ファンじゃない人が好きな歌」「ライヴで歌われても嬉しくなかった」などとボヤいている。

あまりきちんと向き合うことのなかった、スピッツの大ヒット曲『チェリー』。
しかし春めいてきた今、この曲について語ってみようと思う。

『春の歌』より春らしい曲だと思う。
そしてこの歌を思い浮かべる時、頭の中に桜色のベールがサッと広がる。
好き嫌いを抜きにして、とっても可愛い歌。

しかし可愛らしさにとどまらないのがマサムネ氏。
「悪魔のふりして切り裂いた歌」という毒のフレーズを盛り込む。
が、それさえもまた「花びらにかえて」いくんである。

そして「きっと想像した以上に騒がしい未来が僕を待ってる」というフレーズ。
まさに自らの快進撃を予言しているかのようで、毎回ドキンとする。

「愛してるの響きだけで生きていける気がしたよ」というフレーズは、この曲の中で重要なポジションを占めていると思う。このフレーズで『チェリー』ファンは3割増しになっている気がする。

テーマとしては「新たな旅立ち」を歌っている。
決して空は飛ばずに(!)、地に足をつけて地道に人生を歩んでいくような歌。
しかし、序盤の「曲がりくねった道を行く」は、中盤の「どんなに歩いてもたどり着けない」につながっていく…「人生、そんなに甘くはないよ」という戒めか。

私、決してこの曲が嫌いなワケじゃないの。好きになろうと努力(?)もしてみたの。
でもやっぱ「好き」にはなれなくて…その原因はどこにあるんだろうと思ってね。

そこで最近、『チェリー』をこう変えたら好きになれたんじゃないかって結論が見えてきて。
それが何と、アップテンポの『チェリー』!…でも、皆はイヤだろうな(笑)。

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