ユーミンとマサムネ氏~おるたな記念~

誤解を恐れずに言ってしまえば、マサムネ氏は絶望的に暗い声の持ち主だ。
切ない歌がより切なく聴こえるのはそのせいだろう。そのあまりにも乾いた無機質な声…。

中島みゆきや中森明菜も暗いのだろうが、情念のようなものが感じられる点でマサムネ氏とは違う。しかもマサムネ氏の歌声は高音なのに、暗い曲を歌ったら圧倒的に暗い。

かつてマサムネ氏は、自分の歌声を小田和正やユーミンと同ジャンルに位置づけていた。
ユーミン・・・歌声だけではなく、マサムネ氏が楽曲で醸し出す空気感やメロディーラインにも相通ずるところがあるかもしんない。

しかも何かと辛口なユーミンが、スピッツ(マサムネ氏の才能?)のことはホメていた。
挙句の果てには、『楓』をカバーしてたし。『楓』…ユーミンの『Hello,my friend』に雰囲気が似てる。うんうん、『楓』はものすごくユーミンっぽい。

一方のマサムネ氏は、今回の『おるたな』でもおなじみの『14番目の月』を2002年にカバー。
ユーミンのカバーアルバムにも収められている。

かつてマサムネ氏は「ユーミンの音楽はバブルの象徴」と思い込んでいたのだそう。
確かに、80年代に流行ったユーミンの楽曲は、バブルを謳歌する若者がこぞって出かけたスキーリゾートが舞台となった曲中心に、そんなイメージがある。コンサートのステージもかなりド派手だったらしいし。

皮肉なもんだね、70年代のミュージックシーンで主流だった、いわゆる「四畳半フォーク」的要素を排除した結果、自分は「バブルの象徴」と揶揄されることになったんだもの。

しかし、彼女の70年代の楽曲は80年代とは趣が違っていて、かなりいい。
マサムネ氏がカバーした『14番目の月』も、70年代の楽曲である。
私が一番好きな曲は『あの日にかえりたい』…これも70年代の曲。

あぁ、やっぱ似てんなー、マサムネ氏と。無機質なところが。
マサムネ氏に歌ってほしいなー。きっとハマるぞ。

さてお次はユーミンが薬師丸ひろ子に提供した楽曲。

この曲、神秘的よね~。大好きなの。
薬師丸ひろ子の歌声と恐ろしくマッチしていて、「これは薬師丸にしか出せない世界観だ!」と思ってたのよね。平井堅なんかも歌っていたけど、ぜーんぜんダメ。

でもね、もひとり「この人なら大丈夫なんじゃないか」って人が現れたわよ。
ま、ご想像通り、草野マサムネ氏なんだけどね。彼なら歌のイメージを崩さないと思う。

いや~、ユーミンとマサムネ氏は、歌的に相性が合うのかもね~。
ちなみに2人とも美大出身ね。

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