伝説のロックバンド「ラ・ムー」

かつて菊池桃子は、男子学生から絶大な支持を得ていた。
清楚でホンワカした雰囲気がたまらなかったのだろう。
女子から嫌われているわけでもなかった。

しかしいかんせん、歌がヘタだった。
「声が出ない」という、歌い手としては致命的な欠陥を抱えていた。

しかし菊池桃子は楽曲に恵まれていた。
良曲揃いなのに、彼女の歌唱のせいでメロディーがよくわからなかったりする。
でもファンからは「ウィスパーボイス」と絶賛されていた・・モノは言い様だ。

その菊池桃子が80年代末に何とロックバンドを組むのである。
ホントに頭がどうかしちゃったとした思えない。
方向性を模索したんだろうけど、何を血迷ってロックバンドなんか・・。
今や、ある意味伝説のロックバンドとなった「ラ・ムー」である。

世間の目はテンになった。
ウィスパーボイスのバンドボーカル・・・慣れないダンスで滑稽さも倍増だ。
踊りながら歌うのでますます声は出づらくなり、やがて口パクをするようになっていった。
・・・何だかなぁ。

しかしこれも良曲なのである。
今も「時代を先取りし過ぎた曲」と言われている。
要するに新しくてカッコいい曲だったのだ。

ボーカルが彼女じゃなかったらなぁ、と思う。もったいないなぁ・・。
結局、清楚な雰囲気を好んでいた菊池桃子ファンも離れていき、このバンドは短命に終わるのである。

菊池桃子もこの活動を「黒歴史」としてほぼ封印してしまったままだ。

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