『インディゴ地平線』と『風立ちぬ』の共通点

「これが名盤」「あれが名盤」と評されるスピッツのアルバムであるが、あまりそういう評価が下されないアルバムが『インディゴ地平線』である。

通好みであるのは分かっている。なかなかの実験的アルバムでもあるし。しかし、スマッシュヒットした『チェリー』や『渚』が入っているにもかかわらず、存在が地味である。

当時、いち早くCDを購入した友人から借りて聴いたのだが、「いーでしょー?」という友人に対して、「えー、あんまり…」と言ってしまった私。

何だか暗くて謎めいた曲が多かった。ま、それがこのアルバムの魅力っちゃ魅力だ。そりゃ前作が『ハチミツ』なんだから、その流れを期待していた(私みたいな)人にはガッカリだわな。

でもね、ちょこちょこスゴくいい曲が入ってる。『初恋クレイジー』や『ハヤテ』ね。

当の本人たちも自覚しているように、このアルバムでは『チェリー』の存在に違和感を感じる。
アルバムのイメージにそぐわないのだ。『渚』はハマってるんだがな。
商業上、入れざるを得なかったんだろうな。前後のアルバムならハマるんだがな。

さて、それと同じことが起こっているのが、松田聖子のアルバム『風立ちぬ』である(時代、さかのぼるねぇ)。 ♪風立ちぬ~、今は秋~♪ というフレーズでおなじみのシングル『風立ちぬ』と同タイトルのアルバムだ。

秋や冬の曲メインのアルバムなのだが、その中に夏のシングル『白いパラソル』がひょっこり入っているのだ。これは萎える。アルバムタイトルもジャケットも秋仕様なのに。季節先取りの冬なら問題はないが、過ぎ去った季節の歌なんて…。

ファンからクレームがあったかどうか定かではないが、その後リリースされた冬仕様の『Candy』というアルバムには、夏のシングル『小麦色のマーメイド』は入っていない…ステキだ。結局『小麦色のマーメイド』はどのオリジナルアルバムにも入れられることはなく、何だかかわいそうな曲となったんであるが。

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