マサムネ氏ダウン・・

今回の大震災の被災者の苦しみは計り知れないものがある。

一方で、被災者ではない者の辛さというのもある。

テレビを通して幾度となく目にした大自然(大津波)の猛威・・いともたやすく無数の命を飲み込む映像に慄然とし、虚脱感に襲われる。

被災者や被災地に対して何もできないもどかしさ・・自衛隊の人たちはあんなに役に立っているのに。

「募金ぐらいしかできないから」と募金する・・多額の義援金が集まっているはずなのに、被災者の生活が見違えるほど良くはなっていない。

行き渡らない救援物資、避難所で亡くなるお年寄り、膨れ上がる死者数・行方不明者数、身元の判明しない無数の遺体、手のつけようのない瓦礫の山、そして「放射能」という見えない敵・・

自分はこんなに普通に暮らしていていいのか、という思いがよぎる。

震災後、私の心が晴れることはなく、胃痛がし、「旅行に行った」という知人に対して「よくこんな時に旅行なんてできるよな!」と心の中で毒づいたりした。

何だか疲れてしまった・・そんな人たちも多いことだろう。

そしてその極致が草野マサムネ氏である。

彼は「死」というものに対して特別な感情を持っていたし、生き物に対する大きな愛情を持っていた。そんな彼だから、今回のようなことになってしまったのだ。

しかし私はこう危惧もする。
ただのストレス障害ならいつか治る時がやってくるだろうが、マサムネ氏が「もう音楽をやる意味なんてない!」と思っていたとしたら・・。だってそこまで思い詰めそうだもの。

その一方で、こういう事態になって張り切る歌手もいる・・中山美穂だ。
「さぁ、10年ぶりに歌って差し上げますわよ~」と、被災者への応援ソングを作って新曲として発表。さすが10年ぶりの歌声。声帯が完全に衰えきっている。泣いているのかと思ったら、声が上ずっているだけだった。とにかくそこらへんの素人よりヒドい。歌の内容も気持ち悪い。

歌手のみなさ~ん、あえて応援ソングなんて作らなくていーから!
被災者の人たちはね、それぞれあんのよ、自分にとっての応援ソングってのが。
自分たちの知っている歌の中で探し出せるからさ。その方が馴染みがあって、元気出るから。
大体さ、被災者の人たちに届かないよ~、応援ソング作ったってさ。それどころじゃないしさ。
じゃ、救援物資でも持参して被災地に乗り込んで、無料のリサイタルでもしろよッて。
「応援ソング」だなんてさ、おこがましいし恩着せがましいよ。
よく恥ずかしげもなく発表できるね。

やっぱ、スタンスとして素晴らしいのは、ミスターチルドレンの「シーソーゲーム」だよ。
印税も売上金もすべて阪神大震災の義援金として充てられているのに、震災と関係のない歌詞だからね。サッパリしていてアッパレだ。

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