【生殺与奪】ジャニーズの闇を深掘りす

ジャニーズ事務所「再発防止特別チーム」が調査報告書を公表し、ジャニー喜多川の性加害を事実認定した。

てかもう20年前に高裁で認定されてんねんけどな。

それをメディアでちゃんと取り上げなかったし、ちっとも問題視してこなかった。

それゆえジャニ事務所としては何の痛手も受けず、男性アイドル市場が「ジャニーズ一強」のまま突っ走っていけた。

一強だったがゆえ、「ウチの問題を報じるなら、おたくの媒体にウチのタレントを一切出しません!」という脅しが効き、報告書の中にあった「マスメディアの沈黙」という状態に至るわけである。

しかし、そもそもなぜジャニーズは一強たりえたのか。

・・それも、「脅し」で成立してたようなものなんである。

例えば、非ジャニの歌って踊れる系のボーイズグループを徹底的に締め出す。
「そのグループを出演させるなら、おたくの番組にウチのタレントは一切出しません!」

それで DA PUMP や w-inds. なんかは憂き目を見た。

あらゆる点でジャニよりレベルが高く、人気急上昇中だった彼らのメディア露出は、極端に抑えられた(特にw-inds.)。

テレビだけではない。雑誌もである。

アイドル雑誌『明星』(現『Myojo』)の50年分の表紙が掲載された本を、私は持っている。

それを見ると、70年代まではいろんな事務所の男性アイドルが表紙を飾っているが、80年代に入ると男性アイドルはほとんどジャニだけになり、90年代半ばからは女性アイドルまで排除してホントにジャニだけの表紙になっていく。

かと言って、ジャニ専門誌に変わったわけではない。
表紙には、本誌に掲載されてるタレントの名前が出てるのだが、ジャニ以外の名前もある。

ただ男性に限って言えば、ジャニ以外は俳優、ミュージシャン、お笑いに留まるのだ。

当時人気のあったDA PUMP や w-inds.の名前をついぞ見つけることはなかった。
ジャニのライバルとなりうる彼らは、全く存在を消されていた。

過去、ジャニーズは隆盛期と低迷期を繰り返してきた。
低迷期に「ウチのタレント出さない」脅しは通用しないだろうから、隆盛期にこの手法をガンガン用いたのだろう。

効果は絶大で、ライバルは排除され、次第に男性アイドルは「ジャニーズ一強」となり、「男性アイドル=ジャニーズ」という図式を定着させてくんである。

そしてスマップが多方面で人気を獲得して以降、後続のグループも全て売れっ子となり、ジュニアだけの番組も生まれたりして、「黄金時代」とも呼ぶべきゾーンに突入した。

そんな時なのだ、週刊文春がジャニー喜多川の蛮行を報じたのは。
ジャニーズ事務所は文春を名誉棄損で訴えるが、高裁でジャニー喜多川の性加害が認定されてしまう。

しかし折しも時代はジャニーズ黄金期。
メディアは「うちのタレントを出さない」と言われたらひとたまりもない。

戦々恐々とし、このことを大々的に報じることは無く、被害が拡大していったというわけだ。 

メディアに圧力をかけライバルを駆逐したことで競合の無い独占市場となった弊害は、他にもある。

男性アイドルが国内でガラパゴス化(てか質が低下)し、世界標準の流れからどんどんかけ離れていくのである。
その間に韓国の男性アイドルグループが世界を席巻。

・・日本のエンタメ界の停滞を招いた、と言っても過言ではない。

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