ショートケーキは見た目が9割?

何色が好きかと聞かれても、私は答えられない。

好きな色がありすぎるから。
ファッションも、色合わせが一番の楽しみだったりする。

赤も好きだ。
ただし、ペンキのような赤ではなく、深みのある赤。

ところで、とある漫画家のエッセイに、こんなエピソードが載っている。
          ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
私は幼い頃、自分はイチゴのショートケーキの好きな子供であると信じていた。
(中略)
幼年期における、イチゴのショートケーキの食べ方

まず、トップを飾るイチゴをケーキから降ろす

          ↓
生クリームをスポンジ台からはがして、兄に与えてしまう
          ↓
スポンジ台を食べる作業にとりかかりながら、スポンジとスポンジの間にサンドされたイチゴを食べる
          ↓
イチゴがスポンジの間から姿を消すと、スポンジに対する興味も失われてしまうので、それも兄に与えてしまう
          ↓
最後にお楽しみにとっておいたトップのイチゴを食べて終わり


あれ? 結局、イチゴしかまともに食べてないじゃないか。
私を魅了していたのは、イチゴのショートケーキという複合体ではなく、単にイチゴだけではないか。

おかしーな。私はイチゴのショートケーキが好きだと思っていたのになー。(中略)その華美な外観に惑わされて、本質を見つめようとはしなかったのだ。
(『キリコのコリクツ』より)


・・・これ、ちょっとわかる。

私も子供の頃、生クリームとスポンジがあまり得意ではなく、それでもショートケーキに対するテンションを維持できたのは、イチゴのおかげである。

イチゴが上に載ってるからこそ、魅力的に見える。おいしそうに見える。

あの色がいいんだな。
もしあれが白いイチゴなら、その漫画家は即座にショートケーキを「苦手な食べ物」と認定しただろう。

赤だから心が揺らぐのだ。赤だからときめくのだ。

私は子供の頃、お祭りに行くと、必ずリンゴ飴を買った。

今からして思えば、あの色と艶とフォルムに魅かれていたのだと思う。
食べ始めるとテンションは下がる一方であった。

ところで私は最近パソコンを買い替えた。

目に入るたびにテンションが上がる。

その色と艶が、リンゴ飴と瓜二つだからである。

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